相続人にあたる人びとは、相続放棄をすることで、被相続人の財産を相続しないという選択をすることができます。
こう書くと、基本的には、被相続人の財産を相続すれば多少なりとも自分の財産が増えるわけなのだから、相続しておけばいいのではないかと不思議に思う方もいるでしょう。
ですが、被相続人の財産を相続した場合には、負の財産である借金も一緒に受け取らなくてはいけないことになっているので、正の財産よりも負の財産の方が大きいような場合には、相続をしないという選択をした方がいいこともあるのです。
実際に被相続人に借金がある場合だけでなく、借金を抱えているかもしれないという懸念があるだけの場合にも、相続放棄をする人がいます。
ただ、注意点としては、一度行った相続放棄を撤回できないことが挙げられるでしょう。
実際は借金がなかったとか、遺産の中に掘り出し物があったとかいったことがあって、それだったらやっぱり相続をしたいと思っても、そう申し出ることはできないことになっているのです。
ですから、相続をしないと判断をするのは、正の財産と負の財産の全体像をきちんと把握してからにするのが懸命でしょう。